これから読まれる方へ(7)太陽のネットワークと聖方位〜「栗本慎一郎の全世界史」書籍サイトより

好評発売中の「栗本慎一郎の全世界史」(技術評論社)。更新にしばらく間が空いてしまいましたが。。。

今回は、これから読まれる方に向けて、“クリシン・ファン”ならば知っている人も多い、日本列島の「太陽のネットワーク」、そして「聖方位」について紹介します。





「日本列島の文化は、ほぼ全体に太陽と星の位置を意識した方位のネットワークを張り巡らせていたことを基軸にする。​
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夏至冬至時におけるそれぞれの日の出、日没地点を結んだ(夏至線と冬至線の)ネットワークは、世界のどこにでも見つかるものだが、日本の縄文時代(前1万2000年から前3世紀)のものは明らかに「異常なほど」精密なものだ。​
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巨石文化ではないにもかかわらず、主要な夏至線、冬至線の交点にだけは必ず巨石が置かれていた。あるいは埋められていた。​

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重要な神社や後の大寺はその夏至線、冬至線の上に載せられた。つまり、両線や交点は十分、意識されていたのである。​
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後に、日本列島に全く別の方位たる「聖方位」が蘇我氏によって入ってきて以降、夏至線・冬至線の世界は聖方位の世界と混在し、対抗し合い、やがて支配層の世界では新しく聖方位が中心となった。​

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この日本における方位の問題は、当然、それに伴ったはずの土木工事力も含めて、そこに全国的な政治権力があったことを科学的に推測させる。​

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全国を統合するものがあったなら、初期段階の帝国が、そうでなければ王国が複数存在した。それは間違いない。
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縄文王国と言うべきか、縄文帝国なのか、それとも糸魚川地後退から採れる宝物・翡翠の財力を頼った翡翠の帝国か、それは今分からない。」



2013年4月13日(土)発売、「栗本慎一郎の全世界史」(技術評論社)より

​考古学的に語られる縄文ロマンとはまた違った、なにやら不思議で壮大なスケールが日本列島に潜在していたことが感じられますね!

こうした独自視線の“栗本版・日本史”も、本書の特徴の一つなのです。





★このページでは、本書を初めて読まれる方、その魅力をまわりの人に伝えたいと思っている方を対象に、栗本先生の「全世界史」のエッセンスを紹介しています。「面白い!」と感じられた方はぜひ本を手に取って、全体を通読してください!


★『栗本慎一郎の全世界史』書籍専用サイト http://kurishin2013.wix.com/kurishin-world


栗本慎一郎の全世界史 ~経済人類学が導いた生命論としての歴史~

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