「栗本慎一郎の全世界史」刊行記念 著者・栗本慎一郎インタビュー(第2回)をアップしました。。。!

おはようございます。かねてからの予告とおり、栗本先生への著者インタビューの第2回を書籍専用サイトにアップしました。


http://kurishin2013.wix.com/kurishin-world#!page-4-2/c170e


今回もまた、全体的にちょっと毒のある。。。笑。でも、お分かりの方も多いかと思いますが、その奥には他者に対する愛情もしっかり隠れています。その点も汲み取りながら、先生の思いをぜひ感じとってください。


ここではその一部を抜粋してお届けしましょう。このあたりの話、日本人論としても面白いかなと思います。


――もう少し質問します。例えば、今回の本には、蘇我氏的なものが日本に北方から入ってきて、それが日本の歴史にすごく影響を与えた、起爆剤になったと書かれています。その要素というのは、現代に残っている、継承されているのでしょうか?

栗本:いや、そういう考え方が間違いなの。蘇我氏的なものがいまどこにあるのか、それは関係ない。蘇我氏が来て、一番大きな影響を与えたのは、それまでの主流派に反して自分たちが主流派になって、(大化の改新が起こって)そのうえでまた反主流派になっちゃった。


その結果、ヨーロッパと同じように、異端VS正統という2つの文化のぶつかり合いが日本に生まれた。これは今でも続いています。蘇我氏的なものがなんだかんだというのは、二の次の問題。


――なるほど。遊牧民の感性やマインドがどう、という話ではない?

栗本:違う違う。だいたい、蘇我氏と言ってもたくさんいるんじゃないんだから。2つの対立的構造、内部に外部があるという構造を作った。ヨーロッパでそれはキリスト教。日本では(蘇我氏に象徴される)ユーラシア騎馬民族の考え方がそれを作った。

――日本の社会にその遊牧民的なものはないんじゃないか、というような声もあったので。

栗本:それはおかしいよ。そもそも、遊牧民というのはあんまり戦闘的じゃないんです。戦闘自身は強いかもしれないけど、必ず相手の立場を認めて、連立したり、連合したりする。そういう傾向は日本で非常に強いでしょう?

――ああ、いわゆる和の感覚ですね。


栗本:そう。それは言える。でも、そこがポイントじゃないんだよ。そういうことを言っているんじゃない。日本社会の特性にA対Bという対立構造があって、それがヨーロッパ社会と共通している……。

――その構造を作ったとキーとして、蘇我氏の位置付けが重要だったということですね。


栗本:そうです。たぶんそれ以前にはないんです。全然違う文化だったら勝つか負けるか、殺すか殺されるかだけど、蘇我氏が入ってきた時に彼らは一度主流派になるでしょう。その時にそうしたことができなかった。象徴として天皇制を置いたから。だから、天皇制が存在することの意味が騎馬民族のなかにあるんです。


。。。次回(最終回)のインタビューもただいま公開準備中です。詳しい日程が決まりましたら追ってお知らせします!





★『栗本慎一郎の全世界史』書籍専用サイト http://kurishin2013.wix.com/kurishin-world


栗本慎一郎の全世界史 ~経済人類学が導いた生命論としての歴史~

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