これから読まれる方へ(5)遊牧の大帝国「キメク汗国」〜「栗本慎一郎の全世界史」書籍サイトより

好評発売中の「栗本慎一郎の全世界史」。。。これまでパルティア(アスカ帝国)、カザール帝国(アシュケナージユダヤ人の起源)という、


一般の世界史本が深く取り上げない「影の大国」について取り上げてきましたが、もうひとつ忘れてはならないのが「キメク汗国」の存在。


wikiにすら載っていない、8〜10世紀に存在した草原の大帝国。。。キメクを知らずして世界史は語れない、というのが栗本先生からのメッセージです。


柔然の後の世界大帝国チュルクが滅んだ(連合が解けた)あと、ユーラシア中央の草原には8世紀にキメク汗国が成立した。これが歴史的に非常に重要な意味を持つ帝国であった。


キメクのおかげで紀元前からあった東西の交易や交流は維持された。そしてそのルートにおける安定が維持された。


キメクはイミとイメクという満州ホロンバイル地方出身の双子部族を軸とした連合国であった。またも満州である。
現在の中国領を出身地としているが、漢民族は全く関係を持てず、ゆえに中国名を持たない。

そのため、中国人が作った歴史書に登場しなかった。これが無名のゆえんである。しかし、草原の道の主要部を押さえた超重要な帝国である。


キメク汗国は最盛時、その西に接するカザール帝国とも並立していた。キメクもカザールも軍事的にも経済的にも東ローマ帝国をしのいだ。


この重要なキメク及びカザールについて、中国ではほとんど情報がなかったし、ゲルマン人はかつての支配者なのでそれを論じたがらなかった。


8世紀から10世紀にかけての東西を繋ぐ大帝国キメク、これを無視したことは、旧来の歴史教科書の最大に近い誤りである。


これなしに、8世紀以降のアジアとヨーロッパを繋ぐ歴史の流れは理解できない。よって高校の教科書では世界史の流れが理解できないのである。」

2013年4月13日刊行、「栗本慎一郎の全世界史」(技術評論社)より




★このページでは、本書を初めて読まれる方、その魅力をまわりの人に伝えたいと思っている方を対象に、栗本先生の「全世界史」のエッセンスを紹介しています。「面白い!」と感じられた方はぜひ本を手に取って、全体を通読してください!


★『栗本慎一郎の全世界史』書籍専用サイト http://kurishin2013.wix.com/kurishin-world


栗本慎一郎の全世界史 ~経済人類学が導いた生命論としての歴史~

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