これから読まれる方へ(4)ヨーロッパ・イスラムが怖れた「カザール帝国」〜「栗本慎一郎の全世界史」書籍サイトより

栗本慎一郎の全世界史」には、前回紹介したパルティア(じつはアスカ帝国)のように、歴史の教科書ではなかなかお目にかかれない「強国」がたくさん登場してきます。


今回紹介するカザール帝国も同様。国際金融の担い手たるユダヤ人(アシュケナージユダヤ人)の起源が、この国にあることを知っていましたか?


パレスチナに起源を持たない彼らがなぜエルサレムを奪い、イスラエルを建国したのか。。。


「だが、この帝国では政治史以外にも驚くべきことが起きていた。カザール帝国皇帝は8世紀(およそ740年ころ)にユダヤ教に改宗する。​


このユダヤ教に改宗したカザール帝国支配層こそユダヤ人の今日における主流派(約9割)たるアシュケナージ派の起源である。​

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言うまでもなく、カザール人は民族的にはダビデやソロモンのパレスチナ人とは関係なく、チュルク人である。広くはスキタイ人だと言っても良かろう。だから、スキタイの本名たるアスカ(エシュク)の音が入っているのだ。​

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アシュケナージユダヤ人は現ユダヤ人人口の圧倒的大多数を占める主流派だ。現在のイスラエルでも9割近い比率を持つ。

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学問や芸術に活躍するユダヤ人や、経済で世界をリードするユダヤ人においてはほぼその全部である。我が経済人類学の祖カール・ポランニーもまたこのユダヤ人である。​

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本書は政治に対する何の特定的意図を持たないが、もともとほとんどがパレスチナに起源を持たないはずのユダヤ人主流が、2000年を経て「故郷」に戻って現イスラエルを建国するという「熱情」に理解を持てないのも事実である。」


2013年4月13日刊行、「栗本慎一郎の全世界史」(技術評論社)より




★このページでは、本書を初めて読まれる方、その魅力をまわりの人に伝えたいと思っている方を対象に、栗本先生の「全世界史」のエッセンスを紹介しています。「面白い!」と感じられた方はぜひ本を手に取って、全体を通読してください!


★『栗本慎一郎の全世界史』書籍専用サイト http://kurishin2013.wix.com/kurishin-world


栗本慎一郎の全世界史 ~経済人類学が導いた生命論としての歴史~

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