これから読まれる方へ(3)「ユーラシア」こそ世界の中心〜「栗本慎一郎の全世界史」書籍サイトより

栗本先生いわく、歴史の本当の舞台はユーラシア。。。そこは躍動する生命の源泉。


「辺境」のゲルマン人、中国人(漢民族)のように、記録すること、巨大建造物を残すことに固執しない、強く、自由な遊牧民たちが疾駆する世界。。。


日本人の祖先もまた、北満州を経て海を渡り、まずは東北日本へとやって来ました。アスカ(飛鳥)というコトバに象徴される先端の文化を携えて。。。​




「西アジアの草原は先進地域で交易にとって重要な道だったから、常にその時代時代の武力最強の勢力が支配していた。

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武力最強というのは、パルティアやアケメネス朝ペルシアのような国でさえ抑えきれない勢力ということでもあった。​

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前4世紀に、パルティアを破ったアレクサンドロス三世大王は一時バビロニアアフガニスタンもインドも支配したがついに草原の地域に力は及ぼせなかった。​

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アレクサンドロスは哲学者アリストテレス(王家の家庭教師)の直接の弟子であり、若いが知識も豊富であった。


そこで、東ペルシア高原を支配するころからその地における信仰上の救世主ミトラを自ら名乗るようになる。東方のミトラ教の世界をまとめることを望んだのである。​


シュメール人と同じくミトラも、一見、この地から北メソポタミアコーカサス方面に及んできたように見えるが、実はそこにも「持ち込まれた」ものだと気づいたに違いない。​

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だから、彼のチュー川方面やモンゴル方面への関心はほぼ本物であった。そのアレキサンドロスは当然、インドではなくもっと北の西アジアの草原を押さえることを希望したが支配はできなかった。手も足も出せなかったと言える。

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もっとも、ここをも支配しきったのは、歴史上、6世紀のチュルク(突厥)、8世紀のキメク、9世紀のカザール、13世紀のチンギスカンのモンゴル帝国だけである。」


2013年4月13日刊行、「栗本慎一郎の全世界史」(技術評論社)より



★このページでは、本書を初めて読まれる方、その魅力をまわりの人に伝えたいと思っている方を対象に、栗本先生の「全世界史」のエッセンスを紹介しています。「面白い!」と感じられた方はぜひ本を手に取って、全体を通読してください!


★『栗本慎一郎の全世界史』書籍専用サイト http://kurishin2013.wix.com/kurishin-world


栗本慎一郎の全世界史 ~経済人類学が導いた生命論としての歴史~

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