あの「もやしもん」がアニメで帰ってくる? 菌とヒトとの共生はホント奥が深い。。。

おはようございます。

「農大」を舞台にたくさんの菌たちが登場するコミックもやしもんのアニメが復活するみたいですね。
僕はちょこちょこと読んでるくらいであまり詳しくないのですが、でも、こういうコンセプトのマンガがメジャーになるっていうのはすごいことです。どんな背景があってのことなんだろう?


★公式サイト⇒「もやしもんリターンズ」


で、このマンガに出てくる農大の老教授、発酵学の小泉武夫先生がモデルになったという説があるみたいですね。
まあ、小泉先生は東農大の名誉教授だし、蓋然性はありそうですが。。。


僕も先日取材したばかりですが(→くわしくはこちら)、ちょこっと調べたらこんなブログの記事も出てきました。


★小泉武夫と「もやしもん」


なるほど。。。まあ、どこまでが真実かわかりませんが、その後作者から「挨拶」はあったのかなあ。取材の際にちょっと聞いてみればよかった。。。笑


ともあれ、目に見えない細菌たちのことがクローズアップされるのは個人的にも興味深いことなんですが、これって単なる知的好奇心にとどまることではなくて、腸内細菌の話を例にとるまでもなく、僕たち一人一人に深〜い影響を与えているものなんです。


腸内細菌と言えばこの人。。。ということで、同分野の第一人者である光岡知足先生へのインタビューの一節を引用します。






光岡 勘違いしている人が多いのですが、どんなに健康であっても悪玉菌がゼロになるということはありません。腸内には悪いものも必ず生息している。それを人間の都合で無理に排除しようとしたら、かえってバランスが崩れてしまいます。


――なるほど。なんだか生き方、考え方の問題にもつながってくる話ですねえ。一般的には、悪いものを排除すれば良い状態に近づくと考えられているところがありますが、それでは調和できないわけですから。人間の世界でも、悪を排除しようとすると調和どころか、戦争が起こりますもんね。


光岡 菌とは共生することが大事なんです。世の中全体のことになると漠然としてしまいますが、私たちの体のなかには腸という一個の完結した世界(生態系)があります。そこで見えてくる真理は、現実社会の雛型のような面があると言えますね。


――実際、腸内の生態系が調和していると、体調がいいだけでなく心も穏やかになります。平和が大事だというなら、まずは腸内の平和から回復させていかないと。


光岡 それはそうでしょう。腸内では善も悪もどっちつかずのものも含めて、すべてが一定の割合で共生していることが調和=平和の本質です。邪魔だから排除しようというのは、自然の摂理に反します。


――物事を善と悪で分けることは人間のエゴなんですね。


光岡 そもそも、自然界に善も悪もありません。善悪はあくまで便宜的なものなのです。


――善玉菌、悪玉菌という呼び方も、膨大な数の腸内細菌をわかりやすく伝えるためのものでしょうから。ステレオタイプにとらえるのではなく、その意味するところをしっかり理解しないといけないですね。


光岡 繰り返しますが、大事なのはバランスです。善も悪も受け入れる懐の深さが自然界にはあります。善と悪の違いを認識したら、今度はその善悪にとらわれず、ありのままに自然を捉える感覚が必要になってきます。まずはそうした点を学ぶべきでしょう。


★詳しくはこちらを参照⇒ 「生命科学情報室」ホームページ:光岡知足氏インタビュー



どうですか? 菌たちとヒトとの関わりって、哲学的でさえあるでしょう? 健康との関係もこうした「自然に対する捉え方」のなかで再考してみると、また違ったものが見えてくると思います。


光岡先生へのインタビューの第2弾、先日「近日公開予定」とお伝えしたばかりですが、他の企画が割り込んできたこともあり。。。もう少し待ってください。



人の健康は腸内細菌で決まる ?善玉菌と悪玉菌を科学する― (知りたい!サイエンス)

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