栗本世界史・講義の備忘録(1)

栗本先生の大学での講義メモです。備忘録的なものなので、細部でニュアンスの異なる箇所もあるかもしれません。

今後、出席した回にかぎり、このブログで紹介していきたいと思います。多少は本の宣伝にもなるかな?

しかし、年端のいかない女子大生に話すような内容ではありませんな。笑。


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●歴史の出発点は「社会は生き物である」と捉えること。ガイア=地球生命体として捉える発想が必要。もっと言えば宇宙の一部であるという視点が求められる。

●日本人、日本民族という言葉を安易に使わないこと。民族とは「帰属意識を持った集団」。その意味でいえば、日本人は4〜5世紀の古墳時代に形成された。そこに天皇家が関わっている。

●つまり、縄文人は日本人ではない。日本列島人とは呼べるが、まるで日本人であるかのように捉え、縄文時代を日本の文明、文化の起源のようにみなすのは間違っている。

●4〜5世紀は日本のみならず、アジア・ヨーロッパを含めたユーラシア全体の激動期である。アジアの激動期には北方遊牧民鮮卑が大きく関わっている。

●(唐突ながら)いま「糖質ゼロ」を提唱する釜池豊秋氏の本に興味を持っている。彼の言っていることは正しい。まだ3日目だが、糖質を極力摂らないようにしている。従来の糖尿病治療には大きな問題がある。

●江戸時代の人口増の謎については、「病にかかった江戸時代」という論文を書いている。これは、慶應大学の大学院にいた頃、隣の研究室にいた速水融氏の研究に触発された。



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●日本の縄文時代、世界的にもかなり大きな文明、文化が栄えていた。ただ、文字がないため認知されてこなかった。巨大建造物もない。

●文字は蘇我とともに入ってきた。彼らを渡来人と呼んではいけない。

●パルティアはゲルマン人が無視してきた大国、5世紀も続いてきたのに十分に研究されていない。

ローマはパルティアに負けた。アントニオとクレオパトラもパルティアに苦しめられた。

●パルティアはアスカと名乗っていた。中国読みは安息国。皇帝は自らをアスカと呼んでいた。これは決してトンデモ歴史ではない。

キリスト教は世界を制覇したが、本質はミトラ教の偽物でしかない。ミトラ教からいろいろなものを借りている。

●日本という国は4世紀の激動の中で生まれた。それ以前は日本ではない。ただ、遅れていたわけでもなかった。三内丸山遺跡。5500年前。メソポタミア・シュメール文明より新しいということはない。

●パルティアのアスカと日本の飛鳥の関係性。三種の神器とほぼ同じものがスキタイにある。スキタイにあったものが日本に来た。

●飛ぶ鳥=飛鳥をなぜアスカと読んだか。鳥が神聖視。ゲルマン人の神話。もとはミトラ教から。ミトラ教には太陽信仰もあった。

キリスト教の異端、たとえばアリウス派ミトラ教により近い。異端は徹底的に虐殺。

キリスト教の教義の重要なところはほとんどミトラ教。クリスマス。十字架も。

●私は威張るなと言いたいだけ。威張っている人、ハッキリした嘘を押し付ける人がきらい。

●キリストの復活なんてあるはずがない。マリアは不倫してイエスを生んだ。別に美人でもなかったでしょう。

●問題は12使徒パウロ。ある意味でいいやつ、わるいやつ。キリスト教を体系化した。ミトラ教の太陽信仰を崩した。異端を正当化し暴力。

●中国人、北方の異民族を馬鹿にして名付けた。しかし、鮮卑北魏を作った。奈良の仏像は北魏様式。じつは鮮卑の影響。

●隋、唐も鮮卑。今の中国の領域を大きくした大元はじつは鮮卑漢民族ではない。非主流派は西へ。柔然を作った。

●個人的には柔然という国は好き。よもぎという意味。草の名前がついている珍しい。

ゲルマン人は名前を単純につける。中国の王朝は威張りすぎ。

●皆さんのお父さん、お母さんにいってください。あなた方が習ってきた世界史、アジア史は間違っていたんだと。